尾張氏|湾奥の航行・祭祀ネットワーク

概要

濃尾平野湾奥(熱田・志段味)を基盤とする湾岸勢力。白鳥伝承と草薙剣奉斎を軸に、5世紀後半〜6世紀初の大古墳・馬具受容、継体朝の外戚関係で王権と結節。

※ 異表記:尾治

ざっくりポイント(3行)

  • 熱田台地・志段味古墳群=湾奥の権力中枢。
  • 白鳥伝承/草薙剣奉斎=尾張の記憶の核。
  • 継体朝の外戚(目子媛)で王権に接続。

時系列ミニ年表(3–5項目)

  • 〈伝承〉日本書紀・景行紀:日本武尊が尾張の宮簀媛と契り、草薙剣を尾張に留置(白鳥伝承)。
  • 〈考古〉4世紀前半:白鳥塚(志段味)など前期大型墳が出現。
  • 〈考古〉5世紀末~6世紀初:断夫山古墳(全長約150m)=地域中枢の指標。
  • 〈文献〉日本書紀・継体紀:元妃「尾張連草香女 目子媛」— 安閑宣化へ連なる外戚。

記紀の手がかり(入口だけ)

  • 氏族名の登場:尾張(異表記:尾治)。称号は場面により〈連/臣〉を併記。
  • 主要人物(記載箇所)
    • 世襲足媛 孝安/母 :尾張連の遠祖 瀛津世襲の妹。日本書紀・孝安紀
    • 宮簀媛 日本武尊妃 — 尾張に草薙剣を留置する伝承の核。表記は『古事記』=美夜受比売。 日本書紀・景行紀
    • 目子媛 継体元妃/父:尾張連草香 継体の岳父 — その子が安閑・宣化に即位(外戚関係)。 日本書紀・継体紀
  • モチーフ:湾岸・航行・祭祀(草薙剣奉斎/白鳥伝承)と、后妃関係による王権接続。
  • 読み方の注意:湊/津/泊は概念域。

※ 「尾張連」は、孝安の時代ではなく、尾張連草香がいた頃に実在したことがわかっています。684年に「宿禰」に変わった。

関連ノート

クイック情報(タイプ別)
〔文献〕日本書紀・景行紀の白鳥伝承、日本書紀・継体紀の外戚記事を要点化。
〔用語〕尾張=〈尾治〉、称号〈連/臣〉。津/湊/泊の語義は区別して使用。
〔祭祀〕熱田神宮(草薙神剣奉斎)/白鳥ゆかりの社・古墳が点在。
〔地勢〕熱田台地と三川デルタの湾奥=物流集散点。志段味は台地縁の古墳密集域。
〔交通〕伊勢湾—難波・住吉—瀬戸内へ接続する海路の中継ノード。
〔考古〕断夫山・白鳥塚・志段味大塚=5C後半〜6C初の権力指標

関連天皇

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出典・外部資料(一次情報優先)

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※一次典拠は巻・段のみ明記(リンクなし)。底本は後日追記予定。


🕓 更新日:2025年8月28日

※ 個人的な備忘録として、調べながら書いているブログで、書き足し、修正、アップデートを重ねています