世界史ざっくり俯瞰

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世界史ざっくり通読

人類史は、まず「文字の有無」で先史と歴史に大きく分かれます。メソポタミアやエジプトでは前3000年ごろに文字が整い、 都市と国家の原型が生まれました。鉄器が広がると生産力と軍事力が跳ね上がり、地中海ではギリシア・ローマが政治や法、 学術の基礎を形作ります。一方、東アジアでは秦漢が中央集権国家の雛形を整え、中国はその後の王朝交代を通じて 官僚制と文化圏を広げました。

西ローマの滅亡後、ヨーロッパは封建社会へ移り、キリスト教が社会の軸になります。 7世紀に誕生したイスラームは学術と交易でユーラシアを横断的に結び、モンゴル帝国の拡大は 人・物・知の移動をさらに加速させました。東アジアでは唐・宋が経済と文化を発展させ、紙・印刷・火薬・羅針盤などの 技術が成熟します。世界はまだ地域ごとに色合いが違いますが、すでに広域ネットワークは動き始めていました。

15〜16世紀、大航海と宗教改革をきっかけに、ヨーロッパは海へ乗り出します。 アメリカ大陸の銀と作物、アフリカの労働力、アジアの絹や香辛料が大西洋システムで結びつき、 世界経済が形成されました。オスマンは地中海と陸路の要を押さえ、東アジアでは明・清、 南アジアではムガルが繁栄します。日本も16世紀後半に南蛮貿易に加わり、17世紀の江戸体制下で 都市と商品経済が発達しました。

18世紀末のアメリカ独立とフランス革命は、主権の担い手を国王から「国民」へと切り替えました。産業革命は蒸気・鉄・綿工業から始まり、生産と都市化を加速します。19世紀は国民国家と帝国主義の時代。日本は明治維新で近代化します。

20世紀前半は、総力戦の二度の世界大戦が国際秩序を揺さぶりました。 ロシア革命は社会主義国家を誕生させ、大恐慌は各国を保護主義へ追い込みます。 ファシズムの台頭を経て第二次世界大戦が終結すると、国際連合が発足し、 戦後の枠組みづくりが始まります。

戦後は米ソの冷戦構造の下、核抑止と同盟網が世界を二分しました。 アジア・アフリカでは脱植民地化が進み、新しい国家群が国際社会に加わります。 欧州は統合を進め、福祉国家が整備され、技術は原子力から宇宙、情報通信へと広がりました。


日本×世界──1行対応表

日本の時代ヨーロッパオリエントアジアアメリカ大陸
縄文〜弥生/古墳青銅→鉄器/ギリシア・ローマアケメネス→ヘレニズム→ササン秦漢→魏晋南北朝オルメカ・テオティワカン/古典期マヤ
飛鳥・奈良・平安ローマ末→中世初期(封建化)初期イスラーム/ビザンツ存続隋唐→五代十国→宋ポスト古典期マヤ/ミシシッピ文化
鎌倉・室町中世成熟・百年戦争・ルネサンス前夜モンゴル影響→ティムール/オスマン台頭南宋→元→明初/デリー・スルタン朝アステカ・インカ台頭/北米先住諸文化
安土桃山スペイン・ポルトガル帝国拡張オスマン vs ハプスブルク壬辰倭乱/明・朝鮮/マニラ交易ポトシ・メキシコ銀/マニラ・ガレオン/植民地支配深化
江戸啓蒙→産業革命/近代国家の胎動オスマン停滞と改革模索清の支配/ムガル衰退→英台頭/VOC・英進出大西洋経済拡大/米独立・ラ米独立→太平洋進出
幕末産業資本主義・帝国主義/伊統一タンジマートアヘン戦争・太平天国/印大反乱ペリー来航→条約/南北戦争/アラスカ買収
明治帝国主義時代/独統一オスマン衰退/青年トルコ清末→辛亥革命前夜/英領印・仏領拡大工業化で米大国化/米西戦争・ハワイ/ラ米に影響
大正第一次大戦/ベルサイユ体制オスマン解体→中東分割中華民国・軍閥期/反帝運動米参戦→20年代繁栄・禁酒/メキシコ革命/カリブ介入
昭和大恐慌→ファシズム→第二次大戦委任統治下から独立運動日中戦争→太平洋戦争/独立の波大恐慌→ニューディール/第二次大戦で超大国化→冷戦主導/公民権・ベトナム戦

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