ー 縄文のはじまり(G4)|細石刃の終焉と広葉樹林への適応(細石刃の終焉と石器セットの転換 ) ー
終末氷期〜完新世初頭(約1.4万〜1.0万年前)に、細石刃は多くの地域で主流から退き、かわって剥片主体の石器と磨製石器・すり石が増えた。福井洞窟(長崎・佐世保)では細石刃と初期土器の併存が確認され、転換の現場を層位で観察できる。
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#F5A841
レイヤーは05
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本論
1)いつ・どこで終わる?
北海道から九州まで、細石刃は終末氷期の末〜完新世初頭にかけて比率が低下。地域差はあるが、「端末期に収束」という大枠は共通する。
2)何に置き換わった?(道具の役割分担)
- 剥片主体の石器:場での修理・作り直しが容易。多用途。
- 磨製石斧・すり石:木材加工、堅果の粉砕・アク抜きなど加工・調理の比重が上がる。
- 土器:水+火で煮る調理を日常化し、抽出・保存を強化。
3)ケース:福井洞窟(長崎・佐世保)
層位の下層で細石刃の集中、上方で初期土器の出現が観察され、移動性の高い狩猟中心から、採集+調理の多様化へと重心が移る様子がうかがえる。
確度 A/B/C
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- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- A:終末氷期〜完新世初頭に細石刃が後退する大勢/層位・測年・数量化で支持。
- B:剥片主体+磨製石器+土器へ移行(複数地域で整合)。
- C:転換の主因(気候・資源・人口・社会関係)の比重配分は地域差が大きく仮説段階。