ラピタ土器と墓制の要点(タレパケマライ/テウマほか)

ー ラピタ文化:太平洋拡張の跳躍台|ラピタ土器と墓制の要点 ー

ラピタを識別する最大の“かたち”は歯状文(デンタテ)土器と、地域差を伴う墓制です。ムサウのタレパケマライで様式基準が確立し、ヴァヌアツのテウマ(エファテ島・バヌアツ)では大規模墓地が発見され、装身具・頭部処理など具体像が掴めます。

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このノートはG7期に表示
ピンの色: #C2315C

初期表示レイヤー:01, 03, 04, 05, 10 / 版:v202501004

土器の“サイン”:歯状文と製作法

歯状文スタンプで幾何学文様を反復させるのが特徴。器形と文様のセットは、ムサウ群島のタレパケマライを含む初期相でよく整い、以後の拡張に伴い地域差が生じます。

ラピタ土器の生産自体は各地で前800〜前500のあいだに終息し、以後は“プレーンウェア(無文)期”に移ります。

墓制の中身:テウマ墓地

テウマでは複数個体の埋葬、貝輪などの頭飾、遺体処置の多様性が報告されています。年代はおよそ3,000年前で、ラピタ期の葬送実態を一次資料で示す重要例です。

何が言えるか/限界

歯状文土器=ラピタのコア指標は確実。一方、文様の意味(記号論)や墓制の地域差の因果は未解明部分が残り、今後の比較が必要です。

確度 A/B/C

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  • A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
  • B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
  • C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
  • 歯状文土器=指標性:A
  • テウマの墓制像:A(一次発掘報告・総説)
  • 文様意味の社会的解釈:C(仮説段階)