ー ラピタ文化:太平洋拡張の跳躍台|外洋航海と航路 ー
ラピタの東進は「島伝い+短距離跳躍の連結」で実現。西ポリネシアの創始点ヌクレカ(トンガ)は高精度年代で前9世紀末を示し、最東端級のムリファヌア(サモア)は水中の土器群で航路の到達点を物証化します。ルートは地図のラピタ拡張主経路(概略)に対応します。
対応マップ
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ピンの色:
#C2315C
到達のタイミング
ヌクレカ(トンガタプ島・トンガ)の U/Th 年代は創始時点を狭い範囲で示し、ムリファヌア(ウポル島・サモア)の ^14C は同時期の東進を裏づけます。「短期間での拡張」という像は年代整合で支持されます。主たる西ポリネシア到達は前900〜前800ごろです。
※U/Th年代=「サンゴや鍾乳石の“できた時”を、U系列の親子比から高精度で読む」方法。
2千〜30万年が得意、条件が良いと^14Cよりキレのある年代枠が出せます。
連結の方法:寄港点の役割
島影・潟湖・礁湖は補給と気象待ちの拠点。ナトゥヌク(フィジー)やネンドー/サンタクルス(ラタ)の位置関係は、島嶼連鎖の“足場”として合理的です。
西ポリネシア到達レンジ(小まとめ)
- 到達レンジ:前900–前800ごろ(ヌクレカ(トンガタプ島・トンガ)のU/Th、ムリファヌア(ウポル島・サモア)の較正^14C)。
- 前段:バヌアツのテウマ(エファテ島・バヌアツ)〜ニューカレドニアのコネ(ニューカレドニア)で前1100–前900ごろの定着痕跡。
- モデル:島伝い+短距離跳躍。中継はネンドー/サンタクルス(ラタ)などの島嶼ハブ。
- 後続:前800–前500ごろ、装飾(歯状文)土器は各地で終息し、無文期へ移行。
確度 A/B/C
※このサイトでは、資料の信頼度(A / B / C)を簡単なラベルで示します。
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- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- 西ポリネシア到達の年代像:A(U/Th・^14C)
- 「島伝い+短距離跳躍」モデル:B(分布と地理整合)
- 長距離直行(外洋一気乗り)一般化:C(限定事例の域)