考古の俯瞰(日本)

考古学は「出てきたもの」「見つかった場所」「それがいつか」の三本柱で考えます。ここでは日本列島の流れを一気に見渡します。

何を見る?(もの・場所・時間)

  • もの:土器・石器・金属器・馬具など(finds)。
  • 場所:集落・工房・祭祀・古墳・都市・港(site / workshop /kofun など)。
  • 時間:地層の重なり+形の変化で順番(編年)を作る(chronology)。

先史:旧石器・縄文・弥生

打製石器の時代から、土器・定住・稲作と金属の採用へ。暮らしの形と交換の広がりが段階的に変わります。

  • もの:石器→土器→青銅・鉄(finds)
  • 場所:狩猟場・集落・水田・祭祀(site)
  • 時間:土器型式と地層で順番づけ(chronology)

古墳:権力の可視化

前方後円墳など大型墳丘が各地に出現。墳形・石室・副葬品の組み合わせから、地域の序列や交流が読めます。

  • もの:馬具・玉類・甲冑(finds)
  • 場所:古墳・古墳群(kofun, kofun-group)
  • 時間:埋葬施設と副葬品の変化で編年(chronology)

都城と社会(飛鳥〜平安)

都城・官衙・寺院が整い、道路と区画が政治と経済の枠組みを作ります。文献と遺構を照合して実像に近づきます。

  • もの:瓦・木簡・輸入陶磁(finds)
  • 場所:都城・宮・官衙(urban)
  • 時間:条坊・区画の変化+文献で固定(chronology)

城と町と海(中世〜江戸)

山城から城下町へ、港と街道が流通を結びます。町割や堀・土塁に当時の防御と経済が刻まれます。

  • もの:陶磁器・荷札・貨幣(finds)
  • 場所:城郭・町場・港(fortification, urban, shipwreck)
  • 時間:層位+輸入品の年代で補正(chronology)

産業と戦争(近代〜現代)

工場・鉄道・軍事・空襲・埋立など、近現代も考古の対象。記録に残りにくい日常や環境の履歴を、遺構や廃棄物層が語ります。

  • もの:工業製品・弾薬片・生活雑貨(finds)
  • 場所:工場・鉱山・基地・港(workshop, urban, shipwreck)
  • 時間:図面・写真+層位で実年代に接続(chronology)