文語漢文による比較的短いテキストで、伝本によっては1巻・2巻などと数えられる。西洋語訳は多くが「A Record of (Buddhistic) Kingdoms」などの題で出版され、19世紀以降の仏教研究・歴史地理研究で広く参照された。
主な注釈
James Legge 訳『A Record of Buddhistic Kingdoms』(1886):ギリシア・ラテン古典風の序論と詳細な注を付した最初期の英訳のひとつ。インド・セイロン・中央アジアの地名比定や仏教用語の同定が、今も基本的な参照点として使われる。
Max Deeg, Das Gaoseng-Faxian-Zhuan als religionsgeschichtliche Quelle (2005):ドイツ語訳と詳細な注解を備え、法顕伝を「宗教史資料」として読み直す研究書。仏国記と後代研究史の位置づけを整理し、他の巡礼記(玄奘『大唐西域記』など)との比較のうえで強みと限界を論じている。