東アジア(中国・朝鮮・モンゴル・満洲)通史

3行まとめ

  • 中原王朝の交替と、半島・草原・海域ネットのせめぎ合いが長期構造。
  • 科挙・漢字・仏教/儒教などの制度・思想が地域の共通基盤に。
  • 近代は列強の衝撃→戦後の分断と再編→グローバル連結へ。

ミニ年表(ざっくり)

前1千年〜1世紀秦・漢/三国
3〜6世紀魏晋南北朝(東晋・南朝/北魏)
7〜10世紀隋・唐(朝貢秩序の定着)
10〜13世紀宋と北方政権(遼・西夏・金)
13〜14世紀モンゴル帝国→元
14〜18世紀明→清(多民族帝国)
19〜1945列強の衝撃・革命・戦時期
1945〜冷戦・改革開放・民主化・成長

東アジア通史を俯瞰

東アジアを時系列で読む

前221年、秦が中国を統一し、漢(前202–220)が広域統合を制度化した。分裂を経て隋(581)・唐(618–907)が再統一し、長安・洛陽の都城文化、科挙・均田制が成熟。半島では三国が角逐し、668年に新羅が統一、北では渤海(698–)が興る。10世紀、五代十国をへて宋(960–1279)が建国、北方に遼(916–1125)・西夏(1038–1227)・金(1115–1234)。1206年、モンゴル帝国が誕生し、1271年に元が成立、ユーラシアを横断する交易・人・技術・疫病の大移動が生じた。14世紀後半、元が退き明(1368–1644)が起こり、17世紀には清(1644–1912)が多民族帝国として新疆・蒙古・チベットを包摂。半島の朝鮮は儒教秩序と科挙の文治を整えるが、1592–98年には壬辰倭乱に直面する。19世紀、アヘン戦争(1840–42)を契機に条約体制が広がり、辛亥革命(1911)で帝政が倒れる。半島は開化運動ののち日清戦争(1894–95)・韓国併合(1910)へ。第二次大戦後、中国は1949年に中華人民共和国を樹立、朝鮮戦争(1950–53)で南北分断が固定化。1978年の改革開放は世界経済への復帰を加速し、韓国は1987年に民主化、台湾も1990年代に民主化とハイテク集積を進めた。現在はサプライチェーンと海洋秩序、安全保障をめぐる相互依存と競合の調整が焦点である。

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