ー サハラの牧畜化と“乳の革命”|岩面画が語る牛の景観 ー
タドラルト・アカクスは、リビア南西部に広がる砂岩の山地で、谷(ワジ)沿いの岩陰に先史時代の絵画・線刻が集中する世界的な岩面芸術のエリアです。様式は大きく「ラウンドヘッド期(紀元前8,000年 〜 紀元前6,000年)」から「パストラル期(紀元前5,500年 〜 紀元前2,000年)」へ移り変わり、牛の群れや牧畜場面はG5の末〜G5直後(前5千年紀)にかけて本格化します。Uan Muhuggiag をはじめ山地内部の拠点と照らすと、水辺の生活・季節移動・乳加工が重なる“牛の景観”が立ち上がっていたことが見えてきます。

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このノートはG5期に表示
ピンの色:
#1A237E
レイヤー:01
/04
/05
です
何を描いた?:家畜・乳・移動
牛の群れ、搾乳に関連する可能性のある場面、家族と家畜の移動らしき描写が見られる。時期区分は重なり合うが、湿潤化と牧畜化の流れに合う。
考古との接続
土器脂質の結果(乳・植物・魚)や、Takarkori rock shelterなどの拠点立地と照らし合わせると、“水辺+移動+乳加工”という生活像が立体化する。
確度 A/B/C
※このサイトでは、資料の信頼度(A / B / C)を簡単なラベルで示します。
詳しくは 凡例:、資料の信頼度(A / B / C)へ →
- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- B:岩面画の主題(牛・群れ・移動)と牧畜景観の整合。
- B:遺跡データ(脂質・立地)との相互補強。
- C:個々の場面の解釈(儀礼か日常か)は仮説段階。