ー ウルクの都市革命|都市の臨界 (エアンナ区の都市核)ー
前4千年紀後半(おおよそ前3400〜前3100年)、エアンナ区(神殿複合)には公共建築・配給・記録(原初文字)が集中し、都市核としての機能が確認できる。層序(ウルクVIII〜IV、III=ジェムデト・ナスル)に沿って更新された「神殿中枢」であることは一次記録群と考古層で裏づけられる。
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どこ・いつ:場所と年代の枠
ウルク(ワルカ)の中心区画がエアンナ区(神殿複合)。ここからウルクIV〜III期の原初文字(Proto-cuneiform)や封泥・印章が多数出土し、年代枠(前3400〜前3000年ごろ)が絞れる。
平面の特徴:神殿群・広場・倉庫の近接
神殿建築・広場・倉庫/作業エリアが近接配置されるのが都市核のポイント。儀礼(神殿)と行政(保管・配給)をつなぐ動線が読み取れる。層ごとに建替・増改築が行われ、単発ではない継続運用が見える。
層序の更新:IVb→IVa→III
エアンナではウルクIVb/IVa層で公共建築が充実し、III層(ジェムデト・ナスル)で記録体系が成熟。「エアンナ=原初文字の主産地」という位置づけはテキスト群の集中による。
なぜ都市核といえるのか
都市の4指標(公共建築・人口集中・余剰管理・記録)のうち、公共建築・余剰管理・記録の重なりがエアンナ区で明瞭に確認できるため。残る人口規模は推定幅があるが、核としての機能は十分に示される。
確度 A/B/C
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- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- エアンナ=神殿中枢・原初文字集中:A(一次群・定説)
- 具体的な平面復元・人口規模:B(複数研究整合だが幅あり)