ー 【特集】モンスーンが動かした香辛料ルート:インド洋ネットワーク ー
ガンジス・デルタは、潟湖・水路網(“内海”性)によって内陸集散と沿岸航行を結び、マドラス沖(コロマンデル沿岸中継)→ パーク海峡 → マンナール湾へ連続する安全な積替の帯を提供した。これにより東西の幹線(紅海・ペルシア湾)とセイロン中継が実務的に合流する。
なぜ“内海”なのか(地形の力)
潟湖・砂州・支流網=波が減衰する“静穏域”
外洋のうねりが弱まり、仮置き・再積載・軽貨の保管が安全。小型舟運×海船の分業が取りやすい。
南下の足場:コロマンデル → パーク海峡
東岸沿いの寄港帯から浅海の関門(パーク海峡)を経て、マンナール湾=静穏の入江でセイロン中継に接続。
何が運ばれ、どう動いたか
軽く高価な貨(胡椒・シナモン・ビーズ)と“時間の窓”
季節風の年一往復に合わせ、出帆窓・越冬で時間調整。計量・封緘・倉庫と一体運用。
港市ディアスポラの定着
沿岸の寺院・会合・商人ギルドは宿/倉庫/仲裁として動き、テキスト・儀礼・信用が並行移動。
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確度(A/B/C)
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- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- A:デルタ“内海”—コロマンデル—パーク海峡—マンナールの接続機能(地形・海況由来)。
- B:軽貨の積替・保管・越冬運用(他海域比較で整合)。
- C:特定港の恒常独占像(季節・政治で変動)。
