ー 縄文のはじまり(G4)|最古級の土器(煮る文化) ー
草創〜早期の土器内面から、魚介由来の脂質が高頻度で検出される。これは、泉福寺洞窟などの事例に見られるように、初期段階から“煮る文化”が広がっていたことを示す。
脂質残留分析とは
器内面の目に見えない油分(脂肪酸など)を化学的に同定し、何を調理したかを推定する手法。
何がわかる?(要点)
- 水生資源の痕跡:魚類・貝類由来の指標脂肪酸が検出される例が多い。
- 堅果の処理:アク抜き・軟化の調理痕跡が推定されるケースもある。
- 限界:容器は用途兼用のことがあり、一つの器=一つの食材とは限らない。
生活像への示唆
内湾・河口・河川の資源を煮出し・スープ化して効率よく摂取。保存食(乾燥・再加熱)や季節の谷の補完にも繋がる。
確度 A/B/C
※このサイトでは、資料の信頼度(A / B / C)を簡単なラベルで示します。
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- A 公的・一次級で直接確認(一次が複数一致でもA)
- B 複数一次情報からの強い推定(反論や未確定部分あり)
- C 仮説寄り(一次が乏しい/矛盾/作業仮説段階)
- A:魚介由来脂質の検出(分析・同定の一次情報)。
- B:地域差をまたいで同様の傾向(複数研究の整合)。
- C:一器の用途特化の有無や家庭レベルのメニュー構成は未解明が多い。