日本書紀の天皇(神武〜持統)とその時代の総合ガイド

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このページは、日本書紀に登場する天皇(神武〜持統)を「天皇で探る」と、古墳〜飛鳥期のトピックを「テーマで探る」の二本立てで案内する索引です。

確度スケール(A–D)と注意
  • D 神話層神話・寓話層
  • C 伝承中心 — 外部資料との照合は限定的
  • B 照合可 — 外部資料との照合がおおむね可能(一部に議論)
  • A 実録寄り — 同時代一次史料や天文記録と高い整合(史料が豊富)

*確度A–Dは筆者の暫定判定です。一次史料・公的資料・査読研究の裏付けの度合いと編年の確度を基準に付していますが、新出資料・発掘報告により見直します。

ミニ対応表(日本×半島×大陸)
エリア時代の目安
日本神話 → 欠史八代 → 初期統合(崇神〜応神) → 古墳中期(仁徳〜雄略) → 継体前後の再編 → 飛鳥(推古〜持統)→ ★白村江 663 →(再編・近江朝/壬申へ)
朝鮮半島伽耶の鉄流通(3世紀〜/4–5世紀ピーク)/百済・新羅の台頭(4世紀中葉〜) →★ 白村江 663 → 新羅の統一 668
中国前漢末→魏晋南北朝 → 隋(581–618/遣隋使 600–614) → 唐(618–907/★白村江 663・遣唐使 630–894)
超ざっくり俯瞰

神話の時代(神武)から欠史八代をへて、崇神〜応神ごろには各地が少しずつつながり、ヤマトを中心に“まとまり”が見えてくる。古墳は大きくなり、人・物・技術の行き来も広がる。やがて飛鳥で仏教や都づくり・律令へ進み、持統で藤原京に至る。氏族・地域・外交・考古が重なり、確度も D→C→B→Aと上がっていく 確度スケールについて

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地域ノート(索引)

地形・水系・古道などの地勢と、神社・伝承地・宮/陵の所在をセットで整理。

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外交ノート(索引)

倭(ヤマト)と列島外(百済・新羅・高句麗・加羅・中国)の関係を、時期×相手×航路で横断

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考古ノート(索引)

古墳・古墳群・工房・出土品を編年と特徴(馬具・甲冑・土器ほか)で整理。

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天皇インデックス(通し・検索つき)

1 神武(じんむ )D神話域

準備中 じんむ
  • 東征神話でヤマト入りを語る始祖像。
  • 地名伝承・祭祀配置から後代の正統化意図を読む視点が重要。
  • 宮:橿原宮伝承/関連地は複数候補が併存

2 綏靖(すいぜい) C伝承中心

準備中 すいぜい
  • 欠史八代①。記述は簡略、同時代史料なし。
  • 系譜上の連結点としての役割が中心。
  • 宮・陵墓は後世の比定。

3 安寧(あんねい)C伝承中心

準備中 あんねい
  • 欠史八代②。政治像は不明瞭。
  • 地名・氏族伝承を手がかりに位置づけを検討。
  • 宮跡・陵墓は伝承比定。

4 懿徳 (いとく)C伝承中心

準備中 いとく
  • 欠史八代③。記事は少なく具体像に乏しい。
  • 葛城・奈良盆地周辺の在地勢力との接続が論点。
  • 比定地は複数説が並立。

5 孝昭 (こうしょう)C伝承中心

準備中 こうしょう
  • 欠史八代④。年次・事績は伝承域。
  • 海人系や尾張との系譜接続が語られる。
  • 宮名は伝承的で考古裏付けは限定的。

6 孝安 (こうあん)C伝承中心

こうあん
  • 欠史八代⑤。尾張×和珥の接点が示唆される系譜。
  • 同時代史料なし、在位年は伝承。
  • 宮・陵墓は後世比定。

7 孝霊 (こうれい)C伝承中心

準備中 こうれい
  • 欠史八代⑥。地方勢力との関係が主題。
  • 吉備など西方との伝承が散見。
  • 比定は伝承に依拠。

8 孝元 (こうげん)C伝承中心

準備中 こうげん
  • 欠史八代⑦。和珥・春日周辺の伝承が濃い。
  • 系譜上の要所として後代の政治配置に影響。
  • 比定地は複数候補。

9 開化 (かいか)C伝承中心

準備中 かいか
  • 欠史八代⑧(終)。開化—崇神の連続性が鍵。
  • 葛城・三輪山周辺の勢力配置が注目点。

10 崇神 (すじん)B 照合可

準備中 すじん
  • 疫病・祭祀再編など統合の兆候が濃い。
  • 三輪山周辺の考古と接点が多い時期像。
  • 初期ヤマト権力の制度化へ向かう段階。

11 垂仁 (すいにん)C伝承中心

準備中 すいにん
  • 大規模前方後円墳の展開期に重なる。
  • 但馬・丹後・尾張など海人・渡来系との接触伝承。
  • 伊勢(外宮関連)など祭祀整備の伝承。

12 景行 (けいこう)B 照合可C伝承中心

準備中 けいこう
  • 九州~東国の遠征伝承(ヤマトタケル)。
  • 広域支配の物語化と地名の痕跡。
  • 考古的裏付けは限定的

13 成務(せいむ) C伝承中心

準備中 せいむ
  • 国造・県主など行政区画整備の伝承。
  • 後代制度の投影とみる議論もあり。
  • 具体史料は乏しく比定は伝承。

14 仲哀 (ちゅうあい)B 照合可C伝承中心

準備中 ちゅうあい
  • 九州での征討途中に崩御の伝承。
  • 神功皇后の篇との結節点で半島関与の前夜。
  • 宮・陵墓の伝承と現地伝承が併存。

神功皇后(じんぐう)〈摂政〉B 照合可 C 伝承中心

準備中 じんぐう
  • 仲哀崩御後の“摂政”とされる伝承(応神誕生に接続)。
  • “新羅遠征”など半島関与の物語が集中(伝承色が強い)。

15 応神(おうじん) B 照合可

準備中 おうじん
  • 5世紀前半の広域交流・渡来技術伝承が増える。
  • 秦・西文など氏族伝承が多彩、後代の八幡信仰の起点像。
  • 河内・摂津周辺の政治中枢化が進む。

16 仁徳 (にんとく)B 照合可

準備中 にんとく
  • 大規模前方後円墳期・河内の中枢化が進む。
  • 「民のかまど」など統治イメージの伝承。

17 履中 (りちゅう)B 照合可C(伝承中心)

準備中 りちゅう
  • 河内王権の継承期。
  • 内紛・継承の不安定さを示す伝承。

18 反正 (はんぜい)B 照合可C(伝承中心)

準備中 はんぜい
  • 和泉・河内周辺の整備伝承。

19 允恭 (いんぎょう)B 照合可C(伝承中心)

準備中 いんぎょう
  • 政務整備の萌芽が語られる時期。

20 安康(あんこう) B 照合可C(伝承中心)

準備中 あんこう
  • 宮廷内葛藤(眉輪王など)の強い伝承。

21 雄略(ゆうりゃく)B 照合可

準備中 ゆうりゃく
  • 強勢王権像。倭王武比定説(『宋書』)が論点(諸説)。

22 清寧(せいねい) B 照合可C(伝承中心)

準備中 せいねい
  • 継承不安定期、皇統再編の前段。

23 顕宗 (けんぞう)B 照合可C(伝承中心)

準備中 けんぞう
  • 市辺押磐皇子の遺児の復位伝承。

24 仁賢(にんけん) B 照合可C(伝承中心)

準備中 にんけん
  • 旧王統回復の移行期として位置づけ。

25 武烈(ぶれつ) B 照合可C(伝承中心)

準備中 ぶれつ
  • 暴虐伝承。王権転換の前史とされる。

26 継体(けいたい) B 照合可

準備中 けいたい
  • 皇統の継承再編(越前出自伝承)。制度化の節目

27 安閑 (あんかん)B 照合可

準備中 あんかん
  • 継体系の継承。仏教受容前夜。

28 宣化(せんか) B 照合可

準備中 せんか
  • 大和政権の整備継続。

29 欽明 (きんめい)A 実録寄りB 照合可

準備中 きんめい
  • 仏教伝来の伝承。外交史料が増える。

30 敏達 (びだつ)A 実録寄りB 照合可

準備中 びだつ
  • 仏教受容をめぐる対立が顕在化。

31 用明(ようめい) A 実録寄りB 照合可

準備中 ようめい
  • 蘇我・物部対立が先鋭化。

32 崇峻 (すしゅん)A 実録寄りB 照合可

準備中 すしゅん
  • 蘇我馬子による弑逆の伝承(政変)。

33 推古 (すいこ)A 実録寄り

準備中 すいこ
  • 初の女帝。太子の摂政伝承/制度・外交の進展。

34 舒明 (じょめい)A 実録寄り

準備中 じょめい
  • 飛鳥への遷都線上。対外関係の整理が進む。

35 皇極 (こうぎょく)A 実録寄り

準備中 こうぎょく
  • 蘇我氏専横の末期。乙巳の変へ。

36 孝徳 (こうとく)A 実録寄り

準備中 こうとく
  • 大化改新。難波長柄豊碕宮、白雉改元など。

37 斉明 (さいめい)A 実録寄り

準備中 さいめい
  • 朝鮮半島出兵(白村江の前史)・土木事業伝承。

38 天智(てんじ) A 実録寄り

準備中 てんじ,てんぢ, てんち
  • 近江朝。庚午年籍、対外敗戦後の再編。

39 弘文 (こうぶん)A 実録寄り

準備中 こうぶん
  • 壬申の乱の敗者側に位置づけられる短期政権。

40 天武 (てんむ)A 実録寄り

準備中 てんむ
  • 壬申の乱の勝者。律令編整備と記紀編纂の基盤。

41 持統 (じとう)A 実録寄り

準備中 じとう
  • 藤原京遷都。律令国家の整備が進む。

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