江戸時代｜幕藩体制と商品経済、海禁と開国

① 政治・制度

• 幕藩体制：将軍‐大名。武家諸法度・参勤交代で大名統制、禁中並公家諸法度で朝廷規制。
• 中央機構：老中・大老・寺社奉行・町奉行・勘定奉行。地方は代官・郡代。
• 主な改革：享保（新田・上米・公事方御定書）／寛政（倹約・朱子学奨励）／天保（物価統制・上知令）。

② 外交・対外

• 前期朱印船貿易→17世紀中葉以降の「鎖国」体制（長崎でオランダ・中国のみ、公儀の管理下）。
• 周辺交流：対馬（朝鮮通信使）・薩摩（琉球）・松前（蝦夷地）経由の往来。
• 19世紀：異国船来航増加、異国船打払令（1825）など沿岸対応。

③ 社会・経済

• 農村：新田開発・商品作物（綿・菜種・藍・養蚕ほか）。
• 流通・都市：蔵屋敷・問屋・株仲間・市の発達／三都の繁栄。
• 貨幣・金融：金銀銅貨（例：寛永通宝）・両替商・掛取引の普及。

④ 文化・宗教・思想

• 元禄文化（上方）：近松門左衛門・井原西鶴・松尾芭蕉・歌舞伎・浮世絵（菱川師宣）。
• 化政文化（江戸）：葛飾北斎・歌川広重・十返舎一九・滝沢馬琴・与謝蕪村。
• 学問：朱子学（林羅山‐室鳩巣）・国学（本居宣長）・蘭学（杉田玄白『解体新書』、前野良沢）・測量（伊能忠敬）。

⑤ 考古・技術・史料

• 法令・記録：公事方御定書（1742）、武家諸法度・各種触書、寺社・町方文書。
• 交通・都市：五街道・伝馬制度・橋梁整備、江戸城と城下町の町割。
• 貨幣・度量衡：慶長小判・寛永通宝、枡の標準化（京枡）。

よくある誤解とチェック

• 「鎖国＝完全閉鎖」 → ×。長崎（オランダ・中国）・対馬（朝鮮）・薩摩（琉球）・松前（蝦夷地）など限定的な公認交流あり。
• 「参勤交代＝毎年必ず江戸往復」 → ×。隔年交代が基本で、在府・在国期間は大名ごとに定められた。
• 「庶民に教育はなかった」 → ×。寺子屋が各地に普及し、識字・算術が広がった。