江戸時代|幕藩体制と商品経済、海禁と開国

狭義:1603–1868年(徳川将軍就任〜王政復古・維新)
広義:1600–1868年(関ヶ原〜維新)※必要に応じ併記

江戸時代を俯瞰

1600 関ヶ原をこえて、1603 徳川家康が将軍に。江戸を中枢に、諸藩と二層で国を動かす幕藩体制が組まれる。城と街道で結んだ城下町ネットワーク、大名を往復させる参勤交代、年貢と貨幣の両輪で回る経済が整う。

外に対しては海禁(いわゆる「鎖国」)で管理を強め、長崎・対馬・薩摩(琉球)・松前など限られた窓だけを開く。1637–38 島原・天草一揆を経て、1630年代後半に管理は一段と厳格化する。

元和偃武(げんなえんぶ)ののちの平和は、町人の活力を引き出す。上方の元禄文化(浮世絵・歌舞伎・俳諧)と、後期の化政文化(江戸の戯作・版画)が広がり、蘭学・国学も芽を伸ばす。一方で、享保・寛政・天保の三大改革や天明の飢饉など、財政と社会は揺れ続ける。

やがて外圧が増す。ペリー来航(1853)、日米修好通商条約(1858)。政治は揺れ、安政の大獄、雄藩の台頭、公武合体と尊王攘夷が交錯する。1867 大政奉還から王政復古(1868)へ――江戸の秩序は終わり、近代国家の準備が始まる。

出来事の流れ(時系列ハイライト)

1600 関ヶ原/1603 江戸幕府成立/1615 大坂の陣

1630s 海禁の徹底(1637–38 島原・天草)

対外窓口を長崎ほかに限定

1700s 享保改革(徳川吉宗)→ 寛政改革(松平定信)

1782–87 天明の飢饉

1841–43 天保改革

1853–54 ペリー来航・日米和親

1867–68 大政奉還 → 王政復古・戊辰の開戦(維新)

主要トピック(制度・文化)

  • 制度・統治:
    • 幕藩体制
    • 参勤交代
    • 武家諸法度
    • 五人組・名主
    • 勘定・寺社・町奉行
    • 大名統制と城下町
  • 対外:
    • 海禁管理
      • 長崎出島
      • 対馬・朝鮮通信使
      • 薩摩・琉球
      • 松前・蝦夷
    • 洋学・通商条約
  • 経済・社会:
    • 石高と貨幣経済
    • 大坂堂島米会所
    • 新田開発・年貢
    • 百姓一揆・打ちこわし
  • 文化:
    • 元禄文化(近松・西鶴・芭蕉)
    • 化政文化(十返舎一九・歌川広重)
    • 蘭学・国学

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