古墳時代|前方後円墳とヤマト王権

考古学的区分(標準): 約250–650年(古墳の出現〜終焉)
歴史学的区分(日本史の時代区分): 〜592年(推古即位)
※ 約592–650年は“古墳/飛鳥の重複帯” です(古墳文化は続くが政治史的には飛鳥に入る)

30秒要点

  • 時期:3世紀中ごろ〜7世紀後半(後半は飛鳥時代と重なる)。
  • 政治・社会:大王(おおきみ)を中心にヤマト政権が広域にゆるやかな統合。氏姓制度国造などが整う。
  • 墓制:各地に古墳が築かれ、前期〜中期は前方後円墳が主流、後期は横穴式石室群集墳が広がる。
  • 対外関係:倭の五王が中国の南朝に朝貢(5世紀)/朝鮮半島との交流・技術伝来。
  • 文化・技術:鉄器の普及、馬具の広がり、須恵器の導入。6世紀半ばに仏教伝来
  • 史料:稲荷山古墳鉄剣(埼玉)・江田船山古墳鉄刀(熊本)などの銘文(漢字使用)。

ミニ年表(ざっくり)

3世紀中ごろ各地に古墳出現(前方後円墳の成立/箸墓古墳など)。
4〜5世紀巨大前方後円墳の築造が最盛(大仙陵古墳ほか)/大王権の勢力拡大。
5世紀倭の五王が南朝へ上表/鉄製武器・馬具が普及。
6世紀前半横穴式石室・群集墳が広がる/須恵器が一般化。
6世紀半ば仏教伝来(受容は段階的)。
7世紀終末期古墳/制度整備が進み、飛鳥時代へ。

古墳時代を俯瞰

古墳時代を時系列で読む

3世紀の半ば、各地に盛り土の大きな墓古墳が姿を現す。鍵穴形の前方後円墳が広がり、埴輪が並ぶ。 4〜5世紀には巨大な古墳が相次いで築かれ、大王を中心とするヤマト政権の力が各地に波及した。 鉄の武器や馬具が普及し、実戦と移動の力が高まる。

5世紀、倭の五王は中国の南朝に朝貢して地位を求め、朝鮮半島との交流から須恵器などの新しい技術が伝わる。 6世紀に入ると横穴式石室群集墳が広がり、やがて仏教が伝えられて信仰や文化の景色も変わっていく。 7世紀には古墳は小型化・終末期を迎え、制度の整備が進む中で列島は飛鳥時代へ歩みを進めた。

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