AIは「指示されたこと」は完璧にこなすが、日本語の読みやすさ(行間や文字間隔)の微調整は、人間が指示しないと「英語標準」になりがち。
そこで、プロがサイト制作で行っている「隠し味」を数値化して、AIに伝える方法をまとめました。
はじめに
プロっぽいWebデザインとは何か?
プロっぽいWebデザインの正体は、派手な装飾ではありません。
「読みやすい」「疲れない」「迷わない」この3つが揃っていることです。
そして、その8割は「文字まわり」で決まります。
フォント・余白・サイズ。この3つを整えるだけで、サイトの印象は一気に変わります。
なぜAIに任せても「野暮ったいサイト」になるのか?
AIはHTMLやCSSを正確に生成できますが、日本語特有の「間の美学」までは考慮してくれません。
特にAIは英語ベースで最適化されているため、行間や余白が詰まりがちになります。
その結果、「正しいけど読みにくい」サイトになってしまうのです。
【書体編】AIに「雰囲気」を正しく伝える魔法の言葉
サイトのテーマに合わせて、どちらの系統にするかAIに指示しましょう。
明朝かゴシックか? サイトの「性格」を決めよう
- 明朝体(みんちょうたい)
- 印象: 信頼感、和風、情緒的。
- 向いている記事: 歴史ロマン、伝統、高級感のある話。
- ゴシック体(ごしっくたい)
- 印象: モダン、親しみ、論理的。
- 向いている記事: 技術解説、日常、ニュース。
AIに任せると、多くの場合は無難なゴシック体になります。
そのため「高級感を出したい」場合は、明朝体を明示的に指定することが重要です。
フォント指定は「システムフォント」が速い
見た目のこだわり以上に大切なのが「表示速度」です。
デザインにこだわりたい時はWebフォントも素敵です、読み込み速度に影響します。
システムフォント(OS標準)を使う理由
- 爆速: 読み込みデータがゼロなので、一瞬で表示されます。
- SEO: 速度が速いとGoogleの評価が上がり、収益化に有利です。
プロが複数のフォントを指定する理由
- フォントスタック(優先順位)は、「Macならこれ、Windowsなら次、どれもなければこれ」という風に、OSに合わせて最適なフォントを自動で選ばせるのがプロの技です。
- 「Macにはあるけど、Windowsにはない」というフォントの違いを埋めるための保険です。
- Webフォント(Google Fonts)のようにダウンロード不要なので、爆速で、どの端末で見ても、そのOSにとって一番読みやすいフォントで表示される。
AIへの指示例:
「20〇〇年現在のWeb制作現場で、最も標準的かつ美しいとされる『システムフォントの詰め合わせ(フォントスタック)』を設定してください。
- 全体の雰囲気: [ゴシック体 or 明朝体] を指定。
- 条件: Webフォント(Google Fonts等)は使わず、デバイス標準のフォントで最速かつ美しく表示されるようにすること。
- 補足: Windows、Mac、iPhoneの各OSで最適なフォントが選ばれるように並べてください。
【余白編】「読まれない」を「つい読んでしまう」に変える数値
デザインのよしあしは、文字そのものよりも「文字のまわりの隙間」で決まります。
line-height(行間)は1.7前後が目安
日本語(特に漢字)は密度が高いため、行が詰まっていると「黒い塊」に見えて読者が疲れてしまいます。(ブラウザ標準の1.2では狭すぎます)
AIはこの行間をやや詰めて出力しがちです。
1.7前後に調整するだけで、驚くほど読みやすくなります。
letter-spacing(文字間隔)に0.05emの隠し味
わずかに文字間を広げるだけで、圧迫感が消えて視認性が向上します。
ほとんどの人が気づかない部分ですが、プロはここを調整しています。
💡 ちょっとした注意点
letter-spacing は日本語にはちょうど良い隙間ですが、英単語や数字に同じ値をかけると、少し間延びして見えることがあります。
例:letter-spacing → l e t t e r – s p a c i n g
完璧に整えようとすると沼にハマるので「日本語が読みやすくなればOK」くらいの気持ちで付き合うのがおすすめです😊
気になる方は、AIに「英数字部分は詰めて」とお願いしてみてください☕
【色・サイズ編】目に優しく、高級感を出すテクニック
色の濃さと文字の大きさは、ブログの「読みやすさ」と「高級感」を左右する重要な要素です。
真っ黒(#000)を卒業して、優しい黒を使おう
背景の白と文字の黒のコントラストが強すぎると、読者の目が疲れやすくなります。
理想のカラーコード: #333333 や #444444
効果: 画面全体のコントラストが和らぎ、長時間読んでも疲れにくい「目に優しい」ブログになります。大手サイト(GoogleやAmazonなど)も、実は純粋な黒は避けています。
font-sizeは「16px」を基準にゆったりと
スマホ環境では、小さい文字はそれだけで離脱の原因になります。
基本は16px以上をベースに設計するのが安全です。
効果: 拡大しなくても自然に読めるサイズにすることで、離脱を防ぎます。
【実戦編】AIへの指示(プロンプト)の出し方
そのまま使えるテンプレート
AIへの指示例:
「以下の条件で日本語のテキストデザインを調整してください」
- フォント: システムフォント優先(詳細は【書体編】参照)
- 文字色: #333333(真っ黒を避ける)
- サイズ: 本文 17px
- 行間: 1.8(line-height)
- 文字間: 0.05em(letter-spacing)
1カラムデザインで「横幅」を制限する重要性
ワンカラム(1カラム)で最も大切なのは、「1行を長くしすぎない」ことです。
画面いっぱいに文字が広がると、視線の移動距離が長くなりすぎて読者が疲れてしまいます。横幅を絞ることで、雑誌のような読みやすさが生まれます。
魔法の数値: max-width: 800px;(記事部分の最大幅)
AIへの指示: 「記事コンテンツの最大横幅(max-width)を800pxにして、中央に配置して」
触って納得!タイポグラフィ比較デモ
飛鳥の都に隠された文字の謎
飛鳥時代、人々は木簡に墨で文字を刻んでいました。当時の文字には、現代の私たちが忘れてしまった「余白」の美学が宿っています。 例えば、聖徳太子が建立した法隆寺の回廊。そこを吹き抜ける風のように、文字と文字の間にも心地よい風を通すことが、読み手への最大のおもてなしだったのです。
現代のWebデザインにおいても、この「風(余白)」は欠かせません。AIが効率的に並べた文字に、ほんの少しの思いやりを加えるだけで、物語はより深く読み手の心に届くようになります。
- 書体ゴシック(sans-serif)→ 明朝体(serif)
- 文字サイズ14px(少し小さい)→ 17px(ゆったり)
- スマホでの離脱を防ぐ
行間1.2(窮屈)→ 1.8(呼吸する隙間) - 漢字の黒い塊を解消する
文字間隔0(標準)→0.05em(抜け感) - 洗練された印象を与える
文字色#000000(真っ黒)→ #333333(優しい黒) - 目の疲れを軽減する
最大横幅制限なし → 700px(中央寄せ)
CSSテンプレート
/* ==================================================
日本語を美しく見せるための標準タイポグラフィ
================================================== */
body {
/* 1. フォント:OS標準を優先して読み込みを速く */
font-family: system-ui, -apple-system, "Segoe UI",
"Hiragino Sans", "Hiragino Kaku Gothic ProN",
"Noto Sans JP", Meiryo, sans-serif;
/* 2. 文字サイズ:スマホでも読みやすい大きめに設定 */
font-size: 17px;
/* 3. 行間:漢字が多くても「黒い塊」に見えない余白 */
line-height: 1.8;
/* 4. 文字間隔:文字に「呼吸」をさせる隙間 */
letter-spacing: 0.05em;
/* 5. 文字色:真っ黒を避けて、目の疲れを軽減 */
color: #333333;
/* 6. 横幅:1行を長くしすぎず、視線の移動を楽にする */
max-width: 800px;
margin-left: auto;
margin-right: auto;
}AIは優秀ですが、「読みやすさの最適化」は最後に人間が調整すると、一段レベルが上がります。
