縄文時代

日本の歴史を世界の出来事と比較しながら、時代ごとの変化や文化の流れを整理

目次
  1. 年代
  2. 世界と日本の歩み
    1. 草創期(約16000~11500年前)
    2. 早期(約11500~7000年前)
    3. 前期(約7000~5000年前)
    4. 中期(約5000~4000年前)
    5. 後期(約4000~3000年前)
    6. 晩期(約3000~2500年前)
  3. 特徴

年代

約16000年前~約2500年前

縄文時代のはじまり

📌約16000年前 → 最古級の土器の出現
📌約14000年前 → 本格的な土器の普及
人々の生活はまだ旧石器時代の延長
📌約11500年前〜 → 温暖化が進んだ後の「縄文文化」と呼べる時代に入る

縄文時代の区分

草創期(約16000~11500年前)・最古の縄文土器が登場(世界最古級の土器)
・気候はまだ寒冷(最終氷期)だが、徐々に温暖化へ
早期(約11500~7000年前)・気候の温暖化
・日本列島が完全に大陸から切り離される
・定住化が進行し、貝塚や竪穴住居が増える!
前期(約7000~5000年前)・温暖化のピーク!(縄文海進で海面上昇)
・食料が豊富になり、人口も増加!
中期(約5000~4000年前)人口のピーク
・大型集落の形成
・土偶・装飾品・祭祀の発展!
後期(約4000~3000年前)・ 気候の寒冷化(小氷期が始まる)
・ 食料不足により、人口が減少し始める
・ 土器の様式が変化(実用的に)
晩期(約3000~2500年前)・人口がさらに減少
・水稲耕作の伝来(弥生時代の始まりへ)

縄文時代のおわり

📌約3000年前 → 最初の水稲農耕が始まり、縄文時代は終焉!
縄文文化は西日本・東日本で異なる進化を遂げたため、弥生文化への移行に地域差がある

北海道は「縄文 → 弥生 →古墳」に相当する期間「縄文文化」を継続
沖縄は「縄文 → 弥生 → 古墳」に相当する期間「貝塚文化」を継続

世界と日本の歩み

世界(メソポタミア・中国など)日本
旧石器 → 新石器時代へ旧石器 → 縄文時代(独自の文化)
定住化 + 農耕・牧畜(生産経済)定住化 + 狩猟採集獲得経済

草創期(約16000~11500年前)

日本
📌 約19000年前〜
→ 洞窟を利用した住居跡(長崎県:福井洞窟)
📌 約16000年前
→ ✅最古の縄文土器(青森・大平山元遺跡)
オリエント
🌟 農耕・定住化の兆し
📌 約14000年前
→ ナトゥーフ文化(✅レバント地方)/ 最初の農耕・定住化の兆し
📌 約13000年前
→ ギョベクリ・テペ(トルコ)/ 最古級の神殿(宗教施設の可能性)
ヨーロッパ
🌟 狩猟が中心
📌 約18000年前(旧石器時代)
→ 芸術(ラスコー・アルタミラ洞窟壁画)が存在
📌 約14000~11000年前(中石器時代への移行期)
→ 細石器の発展、弓矢の原型、狩猟の小型化、定住化の兆し
アジア
📌 約12000年前
→ 江西省(長江中流域)/ 炭化したイネの種子(野生のイネを採集)
→ 長江流域は稲作発祥地の一つ(のちに栽培化へ)

✅土器の登場は、ヨーロッパやオリエントよりも8000年以上早い
*オリエントやヨーロッパの土器は農耕とともに発達

✅レバント地方は、古代から文明が交錯する地域であり、後にユダヤ教・キリスト教・イスラム教が生まれたエルサレムを含む地域

早期(約11500~7000年前)

日本
🌟 本格的な竪穴式住居の増加(定住化が進む)
📌 約9000年前
→ 夏島貝塚(横須賀市)/ 関東地方の最古級の貝塚
→ ゴミ捨て場+宗教的意味?
→ 漁労・貝類の採取が活発化(釣り針・網の発展)
📌 約7300年前
→ ✅鬼界カルデラの噴火(鹿児島・薩摩半島南方)
→ 史上最大級の大噴火
オリエント
🌟農耕・牧畜が始まる
📌 約11000年前
→ 麦の栽培が始まる(✅肥沃な三日月地帯)
→ 牧畜の開始(ヤギ・ヒツジなど)
📌 約9000年前
→ ジェルモ遺跡(イラク)/ 初期の農耕集落
→ チャタル・ヒュユク遺跡(トルコ)/ 世界最古級の定住都市
ヨーロッパ
📌 約9000年前~7000年前
→ オリエントから農耕・牧畜が入る(東南ヨーロッパ → 西ヨーロッパへ)
→ 定住化が進み、初期の村落が形成
📌 約8000年前
→ ドッガーランドが水没(イギリスと大陸が分断)
アジア
—— 中国 ——
📌 約9000年前
→ 彭頭山遺跡(長江流域)/ 世界最古級の稲作の痕跡
📌 約8000年前
→ 河姆渡遺跡(浙江省)/ 水田稲作の痕跡

—— インド・パキスタン ——
📌 約9000年前
→ ✅メヘルガル遺跡(インダス川流域)/ 南アジア最古の農耕集落

—— 東南アジア ——
根菜類(タロイモ・ヤムイモ)の栽培と海洋適応(独自路線)
→ ✅オーストロネシア人の大移動へつながる

✅鬼界カルデラの大噴火
九州南部は壊滅的ダメージ(人が住めないレベル)
火山灰が東日本まで飛来(関西・東海でも影響)

✅肥沃な三日月地帯
中東のチグリス・ユーフラテス川流域(メソポタミア)からシリア、パレスチナ、ナイル川流域(エジプト)にかけて広がる、農耕文明発祥の地

✅メヘルガル遺跡はインダス文明(モヘンジョ・ダロやハラッパー)の起源となる農耕集落

✅オーストロネシア人の大移動は約5000~1500年前の民族移動
 → 台湾を出発、ポリネシア・ミクロネシア・マダガスカルまで到達❗️
 → 伝統航海術(星・波・風を読む)を駆使し、世界最大級の海洋移住を成し遂げた

前期(約7000~5000年前)

日本
✅縄文海進
→ 関東平野は約6500~5500年前にピーク
→ 大阪平野は 約5000~4000年前にピーク
貝塚の発達(海洋資源の利用が活発化)
📌 約5900年前~4200年前
 → 三内丸山遺跡(青森県)/ 最大級の大規模集落が出現
オリエント
🌟肥沃な三日月地帯での農業・都市進展・交易の拡大
📌 約6500~5000年前
→ ✅ウバイド文化 / メソポタミア最古の都市文化
📌 約5500~5000年前
→ メソポタミアとアナトリア(トルコ)/ 最初の青銅器が登場
ヨーロッパ
🌟農耕・牧畜がヨーロッパ全域へ広がる
📌 約6000年前
→ カルナック列石(フランス)/ 巨石建造物が登場
→ 宗教的・儀式的な目的
アジア
📌 約7000年前~
→ メヘルガル文化 / メヘルガル遺跡が発展
→ 農耕・牧畜・定住化が進む
→ インダス文明の基盤が築かれていく時期(都市は未形成・小規模集落の段階)

✅縄文海進
温暖化による海面上昇、現在の地形とかなり違って海が内陸まで広がっていた
現在より海面が2〜3m高かった(最大で5m以上の地域も)

✅ウバイド文化はのちのシュメール文明の基盤となる

中期(約5000~4000年前)

日本
人口増加のピーク:約26万人(特に東日本で増加)
🌟 縄文文化が最も発展した時期、東日本を中心に大規模集落が増加
→ 加曽利貝塚(千葉県)/ 環状集落・最大級の貝塚
→ 当時の食生活がわかる遺跡

🌟「呪術・祭祀・信仰」?
📌 約5500年前~4500年前
→ 馬高遺跡(新潟県)/ 火焔土器が登場(炎のような装飾)
→ 煮炊き用? 祭祀用?
📌 約5000年前
→ 尖石遺跡(長野県)/ 縄文のビーナス(✅国宝の土偶)
→ 豊穣祈願? 母神信仰?

🌟 交易の発展(漆・黒曜石・✅アスファルト・✅ヒスイなど)
南茅部遺跡・三内丸山遺跡は交易拠点!
→ 南茅部遺跡(北海道・函館市)/ 環状列石(ストーンサークル)
→ 精神文化の発展?
→ 三内丸山遺跡(青森県)/ 巨大な6本柱
→ 最先端の建築技術があった?
オリエント
🌟 青銅器・文字の発展

——メソポタミア ——
シュメール文明
→ ウルク(3万人規模の最古の大都市)
→ 楔形文字の誕生・青銅器の本格的な使用
 
—— エジプト ——
エジプト文明
→ ヒエログリフ(エジプト象形文字)誕生・銅器・青銅器の使用
→ エジプト初期王朝(ファラオの登場)〜 古王国時代の終焉
→ ✅ピラミッド時代が終わる
ヨーロッパ
🌟 メガリス文化の発展(巨石建造物)
→ ストーンヘンジ(イギリス)
→ メンヒル(立石)・ドルメン(巨石墓)などがヨーロッパ各地に出現

🌟 ✅青銅器が普及
オリエントからバルカン半島に広がり
📌 約4000~3500年前にはヨーロッパ各地へ
アジア
—— 中国 ——
📌 約4000~3500年前
黄河文明 / 青銅器時代が本格化

—— 東南アジア ——
📌 約4000年前
→ ✅バンチェン遺跡(タイ)/ 東南アジア最古級の青銅器

✅国宝の土偶5体はすべて東日本から出土

縄文のビーナス(中期)長野県・尖石遺跡
仮面の女神(後期)長野県・中ツ原遺跡
合掌土偶(後期)青森県・風張1遺跡
中空土偶(晩期)北海道・茅沼遺跡
縄文の女神(晩期)山形県・西ノ前遺跡

✅天然のアスファルトを接着剤や補修材を道具加工として利用

✅ ヒスイ(翡翠)
→ 日本で産出されるのは「硬玉」のみで、糸魚川(新潟県)が唯一の産地
→ ヒスイ製の「大珠」などが祭祀や装飾品として使用されていた
→ 弥生時代には形が洗練され「勾玉」として定着

✅ピラミッドは古王国時代(約4600~4,000年前)の、600年の間に集中して建設された❗️

✅ヨーロッパで本格的に青銅器が普及する1000年以上前(旧石器時代末期)の最古の氷人ミイラ「アイスマン・オッツィ」( イタリア・アルプス)が、ほぼ純銅の斧を所持していた❗️

✅バンチェン遺跡は青銅器と並行して土器文化も発展、土器は高温焼成で硬質

後期(約4000~3000年前)

日本
🌟 気温低下、人口減少
→ 縄文海進が終わり、寒冷期へ
→ 人口減少が始まる(特に西日本)

🌟 東日本と西日本の違い(地域差がより顕著に)

——東日本(関東・東北・北海道)——
→ 大型の貝塚(漁労文化が発展)・大規模集落が多い
→ 土偶文化(女性を象徴するものが多い)が発達
📌 約4000~2300年前
→ 遮光器土偶(宇宙人っぽい)が北海道・東北地方で多く出土
→ 亀ヶ岡遺跡(青森県)が有名

—— 西日本(近畿・九州)——
→ 小規模な集落が点在
→ 土偶よりも石棒(男性器を象った祭祀用具)が多い
オリエント
🌟 鉄器の登場
📌 約3300年前
ヒッタイト帝国(トルコ)が世界で最初に鉄器を実用化
→ 鉄は青銅よりも硬く大量生産できる
→ 鉄を武器や農具に活用
📌 約3200年前
→ ✅「海の民」の侵入 → ヒッタイト帝国が滅亡
→ ヒッタイトが独占していた鉄の技術が各地に拡散
📌 約3100年前~
→ 鉄器が中東・エジプト・ギリシャ・ヨーロッパへ広がる!
ヨーロッパ
📌 約3600~3200年前
→ ミケーネ文明 (ギリシャ本土) / 城塞都市(戦闘的な社会)・線文字B・✅クレタ文明を吸収
→ ✅トロイア戦争の後?ギリシャは暗黒時代(約400年間文字記録がほぼない)に突入
📌 約3000年前
→ 鉄器生産の本格化 (ヨーロッパに鉄器時代が到来!)
アジア
—— 中国 ——
📌 約3700~3100年前
→夏王朝(伝説の王朝)
📌 約3100~3000年前
→ 殷(商)王朝 /(最古の確実な王朝)
→ 甲骨文字が誕生・祭祀や占いの記録・青銅器文化

—— インド・パキスタン ——
📌 約4000~3500年前
インダス文明最盛期 / 都市遺跡(モヘンジョダロ・ハラッパー)
📌 約3500~3000年前
→ インダス文明の衰退期 / 原因不明(気候変動?アーリア人の侵入?)

—— 東南アジア ——
→ 稲作文化・青銅器文化が広まる(例:ドンソン文化:ベトナム)

✅「海の民」は約3200年前に地中海地域で突如現れ、歴史の表舞台から消えた謎の民族集団

✅クレタ文明は、ギリシャ神話のミノタウロス伝説(牛頭の怪物)や迷宮(ラビリンス)の起源とされる伝説に深く関係している
✅トロイア戦争はあった可能性が高いが、「トロイの木馬作戦」は神話的要素が強い

晩期(約3000~2500年前)

日本
さらに人口減少:約8万人
🌟 寒冷化が進行
→ 食糧不足が深刻化
→ 貝塚の減少もみられる(食生活の変化?)

🌟 北九州で稲作が始まる
📌 約3000~2500年前
→ 菜畑遺跡(佐賀県)・板付遺跡(福岡県)/ 水田跡
→ 朝鮮半島から北九州へ稲作が伝来
オリエント
🌟 鉄器の時代が本格化し、軍事利用が進む
📌 約3000〜2600年前
→ アッシリア帝国(初の世界帝国)
→「鉄器&騎兵の軍事国家」→ 圧政で滅亡
📌 約2600~2500年前
→ 新バビロニア王国が台頭
→ バビロンを建設(バベルの塔のモデル?)
→ ✅バビロン捕囚 (ユダヤ教確立へ)
→ 新バビロニア王国はペルシャに滅ぼされる
ヨーロッパ
🌟 ギリシャ文明の誕生 & ポリスの形成
📌 約2800~2700年前
→ ギリシャ文明の黎明期
→ フェニキア文字をもとにギリシャ文字が誕生(のちにラテン文字の起源に)
→ ホメロスの叙事詩 『イリアス』『オデュッセイア』 が成立(暗黒時代の英雄譚を伝える)
📌 約2700~2500年前
→ ✅ポリス(都市国家)が誕生!
→ 代表的なポリス:アテネ・スパルタ
アジア
—— 中国 ——
📌 約2800~2700年前
→ 周王朝の成立
→「天命思想」(天から選ばれた王が統治する)を確立
→ 封建制度を導入し、地方豪族に土地を与えて統治を任せる

—— インド・パキスタン ——
📌 約2500年前
→ ヴェーダ時代(後期)に バラモン(司祭階級)の支配が強まる
→ クシャトリヤ(王族・武士階級)を中心に バラモンの特権に反発
→ この流れの中でブッダが仏教を開く

—— 朝鮮半島 ——
部族社会の段階だったと考えられる
→ 青銅器文化が発展し、稲作が本格化し、鉄器が使われ始める段階
→ 朝鮮半島と日本(特に北九州)の間で、小規模な交易や交流があった可能性が高い

✅「バビロン捕囚」は約2600年前
→ 新バビロニア王国がユダ王国を滅ぼし
→ ユダヤ人をバビロンへ強制移住させた
→ 約50年後、ペルシャ帝国のキュロス2世がユダヤ人を解放
→ ユダヤ人はエルサレムへ帰還(第二神殿時代の始まり)
→ ユダヤ教の経典(旧約聖書)が整備され、民族宗教として確立

特徴

昔は「縄文=狩猟採集だけ」って思われてたけど、広い範囲で交易をおこなっていた
特に、東日本の縄文人たちは海上ネットワークを持っていた

縄文時代は基本的に平和な時代

  • 大規模な戦争はなかったが、小規模な争いはあった可能性が高い
  • 縄文後期~晩期になると、一部で戦いの痕跡が見られる

アニミズム信仰(自然のあらゆるものに神が宿ると考える信仰)

  • 土偶(豊穣・安産祈願?)
  • 石棒(祭祀用具?)
  • 貝塚での埋葬習慣(祖先崇拝?)

日本の縄文時代には、鉄器や青銅器の痕跡は基本的にない

  • 木・石・骨・貝などを加工して道具を作っていた
  • 金属器が日本に入るのは、弥生時代になってから

縄文の中心は東日本

  • 気候の影響:温暖で狩猟・採集に適した環境が多かった
  • 海・山・川がバランスよくあり、生活資源が豊富
  • 特に信州・東北・関東は大規模遺跡が集中(青森の三内丸山遺跡など)

縄文時代の終わりに近づくと、寒冷化や人口減少が進み、一部では水稲耕作が始まった
日本列島は徐々に、弥生文化の影響を受け、金属器や本格的な農耕が広がる新しい時代へと移行していく